血脈

本を読んでいて、文中の「精神的血脈」という言葉が頭からはなれない。

血脈。血筋。精神的な。

私は、疑り深く、ひねくれている。それは昔からで、50年以上もそれを保ち続けている。

幼いころ、母は、父に似たのだよと言った。

母いわく、父は見栄っ張りで、ええかっこしいだと、嫌っていた。

両親は、商売をしていたが、働くのはもっぱら母で、父はパチンコばかりしていた。働きもしないのに、いばりちらしていることが多かった。お客の誰かの誘いで、県外までいって競馬をするようにもなった。商売もうまくいかず、お金にはとても苦労してのに。

私は、パチンコや競馬は絶対にしない。嫌悪感すら抱くのは、そのせいだと思っている。

 

私が、中学生ごろ、昭和55年ごろだったか、父が同級生の借金の連帯保証になったが、友人は夜逃げしたらしく、音信不通。借金とりの、電話が頻繁にくるようになり、

精神的にもどん底だった。

 

他にも、たくさんの争いごと、憎むべきことがあり、私のこの性格の悪さがつくられたと思う。

 

環境のせいなのだと言いたいところだが、そんな境遇を引き寄せる血だとするなら、

その運命を受け入れなければならないのか。